神戸牛とは|神戸ビーフの特徴と美味しい食べ方
神戸牛(神戸ビーフ)は、三大和牛にもよく登場する人気の和牛銘柄です。KOBE BEEFとして海外でも人気の神戸牛は、世界でもっとも知名度の高い和牛といえるでしょう。そんな神戸牛について、神戸牛の定義と歴史、但馬牛との関係、神戸牛の美味しさの秘密、そして神戸牛の部位別美味しい食べ方などをじっくりご紹介します。神戸牛について詳しく知りたい方はもちろん、神戸牛にはどんな料理が合うのか知りたい方にもお役に立つ内容になっていますので、ぜひ読み進めてみてください。
目次
神戸牛とは|神戸牛の歴史と三大和牛
三大和牛とは
三大和牛とは、和牛の中で代表的な銘柄牛または銘柄牛肉を3つ選んだものです。この三大和牛は、実は公にどの銘柄と決まっているわけではありません。とはいえ、よく三大和牛と言われる銘柄には、「近江牛」(滋賀県)、「松坂牛」(三重県)、「米沢牛」(山形県)、そして「神戸ビーフ」(兵庫県)があります。
神戸牛?神戸ビーフ?正しい呼び方はどっち
神戸ビーフ、神戸牛、神戸肉…など、色々な呼び方をされる神戸牛。一体どれが正しいのでしょうか。
正解はこれ。
「神戸肉・神戸ビーフの定義」第21条
「神戸肉・神戸ビーフをKOBE BEEF、神戸牛(こうべうし)、神戸牛(こうべぎゅう)と呼ぶことができる」
(出典:神戸肉流通推進協議会 http://www.kobe-niku.jp/)
つまり「神戸肉」、「神戸ビーフ」をはじめ、「KOBE BEEF」、「神戸牛(こうべうし)」、「神戸牛(こうべぎゅう)」のどの呼び方も正解なのです。
神戸牛の歴史
神戸牛の歴史は、日本が鎖国を終え、諸外国に港を開いた時期にさかのぼります。1868年神戸港が開港し、神戸には外国人居留地が建設されました。そして、イギリスやアメリカ、ドイツなどから外国人が訪れるようになりました。当時の日本にはまだ牛肉を食べる習慣は根付いていませんでしたので、肉を食べたい外国人は肉を探すのに苦労していました。そこで、農家から農耕用の但馬牛(たじまぎゅう)を買って食べてみたところ大変美味しかった、というのが神戸牛のはじまりです。神戸ビーフの美味しさは、日本国内のみならず、神戸から本国に戻った外国人たちによっても語られるようになりました。
但馬牛と神戸牛
但馬牛とは
但馬牛は兵庫県北部の但馬地方で昔から飼われてきた日本原種の黒毛和牛です。但馬牛の起源は古く、平安時代に書かれた日本書紀の続編「続日本記(しょくにほんぎ)」にも但馬牛が登場しています。但馬地方は山が多く耕地が狭いので、小型で小回りの効く但馬牛は農耕に重宝されてきました。
但馬牛には強い遺伝力があり、全国の和牛品種改良の「もと牛」として使われるほど大変優秀です。このように、但馬牛の遺伝子は日本国内の他の銘柄牛にも受け継がれるようになりましたが、神戸牛となる兵庫県産但馬牛は、他の和牛との交配を避け純血種のみを生産し続けることで、但馬牛の血統を守り続けています。
ちなみに、交配する素牛のことを指すときは「たじまうし」、兵庫県産但馬牛のように銘柄を指すときは「たじまぎゅう」と呼ばれます。
但馬牛が神戸牛になるまで
但馬牛は、指定生産者の繁殖農家と肥育農家という2種類の農家に育てられます。
まず、繁殖農家のもとで生まれた但馬牛の血統の子牛は、牛の戸籍簿に登録され、10桁の「個体識別番号」の耳標がつけられます。そして、繁殖農家で大事に育てられ、月齢約9か月で子牛家畜市場に出品されます。
次に、子牛家畜市場に出品された但馬牛の子牛を、肥育農家が買い取ります。買い取られた但馬牛の子牛は、ストレスのない環境で愛情をかけて大事に育てられます。但馬牛の子牛たちは稲わらやとうもろこし、麦などの栄養バランスのよい飼料ときれいな水を与えられ、最低でも28カ月、平均で32カ月を繁殖農家と肥育農家のもとで過ごします。その後、兵庫県内の食肉センターでと畜され、検査に合格した牛は枝肉(えだにく)市場で「兵庫県産但馬牛」として売買されます。
こうして大事に育てられた但馬牛の中でも、厳しい基準をクリアした牛だけが「神戸牛」「神戸ビーフ」と呼ばれるのです。
ちなみに、神戸牛にモーツアルトを聴かせたり、ビールを飲ませて育てるというような話を聞いたことがありませんか?実際にはそういう農家さんもいるという話もあることはありますが、食欲の増進につながる可能性はあっても、音楽を聴いて育った牛の肉がそうでない牛の肉より美味しくなるというような科学的な根拠はないようです。ビールも同様です。
神戸牛の定義|但馬牛が神戸牛に認定されるには
神戸牛の認定基準は日本一厳しいと言われています。
「神戸肉・神戸ビーフの定義」により、まず大前提として、神戸ビーフと呼ばれるためには、純血の但馬牛でないといけません。次に育てた繁殖・肥育農家が兵庫県内の指定生産者であること。そして、兵庫県内の指定された食肉センターで処理したものであること。加えて、その但馬牛が未経産牛・去勢牛で、さらに、枝肉格付等が以下の事項に該当するものだけが「神戸ビーフ」に認定されます。
・霜降りの度合いを表す「BMS」がNo.6以上。BMSにはNo.1からNo.12まであり、番号が上がるについれてサシが細かく霜降りの状態になります。
・可食部分の割合(歩留等級)がA・B等級。
・枝肉(えだにく)の重量が499.9kg以下。枝肉とは頭や尾、四肢端などと,皮や内臓を取除いたあとのと肉のことです
・肉質のきめ細かさ、しまり具合がすぐれている。
このほか、霜降りの度合いや、色、肉生地のきめ細かさ、脂の質などを総合評価したものを「肉質等級」と呼び、1から5まであります。
したがって、神戸牛がA5で BMS No.12であれば神戸牛の最高の格付けということになります。
神戸牛はどうして高級なのか
神戸牛が高級な理由のひとつは、神戸牛が大変希少なものだからです。どれくらい希少かというと、神戸牛の消費流通量は日本の牛肉全体のわずか0.2%未満と、非常に少ないのです。具体的には、まず、神戸牛となる但馬牛として認定されるのは年間約7,000頭程度です。そのうち神戸ビーフに認定されるのは約5,500頭。この中には外国に輸出される神戸ビーフも含まれていますので、約5,500頭すべての神戸ビーフが国内で流通するわけではないのです。
本物の神戸牛の見分け方
神戸牛には1頭ごとに血統書「神戸肉之証」があり、10桁の個体識別番号がついています。この識別番号を「但馬牛血統証明システム(http://www.tajimagyu-trace.com/trace_back.php)」に入力すると、いつどこでどの親牛から生まれたのか、などの血統情報や生産履歴を見ることができ、認定を受けた本物の神戸牛・但馬牛なのかが確認できます。
また、認定を受けた本物の神戸牛の枝肉には、4か所に「のじぎく」の紋章と呼ばれる真ん中に「神戸肉」と書かれた菊のマークが押されます。そして、牛をデザインしたブロンズ像が神戸牛を取り扱う指定登録店の目印になっています。
神戸牛はなぜ美味しい
神戸牛が美味しいのは舌の上でとろけるから
神戸牛のとろけるような得も言われぬ美味しさの秘密は、その細かい「サシ」にあります。「サシ」というのは、筋肉繊維の中に入っている脂肪分のことで、但馬牛は、遺伝的に筋肉繊維の間に細かい筋間脂肪を持つのが特徴です。そしてその脂肪は不飽和脂肪酸が多いので融点(脂肪が溶け出す温度)が低いのももうひとつの特徴です。神戸牛が舌の上でとろけるように感じるのはこのためなのです。また、神戸牛の脂肪には、おいしさの決め手になるオレイン酸やうまみ成分のイノシン酸が豊富に含まれているのも大きなポイントです。
ではどうして神戸牛にはこのようなおいしい「サシ」がたくさん入っているのでしょうか。その理由は、神戸牛となる但馬牛が育てられてきた但馬地方が山岳部で寒暖の差が激しいので、遺伝的にこのような脂肪をつけるようになったのではと言われています。
神戸牛が美味しいのは美味しい餌を食べて育つから
但馬牛は、稲わらなどの乾牧草に加え、大豆やとうもろこし、大麦、ふすまなどをバランスよく配合し栄養を考慮した飼料を食べて育ちます。肥育地域の水がきれいでミネラル分豊富なことも、但馬牛の優秀な肉質を作り上げる重要なポイントです。
神戸牛の美味しい食べ方
神戸牛シャトーブリアンで究極の贅沢
シャトーブリアンは、牛のヒレ肉(テンダーロイン)の中にある中央部の最も太い部分です。シャトーブリアンはとても希少な部位で、牛1頭からとれるヒレ肉およそ4kgから、たった600g程しか取れないのです。つまり、シャトーブリアンは高級なヒレ肉の中で一番高級な部位なのです。
神戸牛が高級な理由は神戸牛が手に入りにくい希少なものだからということを前述しましたが、その高級な神戸牛からとれる肉の中で、最も希少で最高級の部位がシャトーブリアン。神戸牛のシャトーブリアンをぜひ一度食べてみたい!と憧れる方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、どうしてシャトーブリアンという名前になったのか、はっきりしたことはわかっていないのですが、ふたつ説があります。ひとつは、19世紀初頭のフランスの政治家フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンが料理人に命じて作らせ、そればかり食べていたからシャトーブリアンと呼ばれるようになったという説。もうひとつは、牧畜と精肉で有名なフランスの都市シャトーブリアンから名づけられたという説です。
もしも神戸牛のシャトーブリアンを食べる機会に恵まれたら、おすすめの美味しい食べ方は断然ステーキです。その希少さゆえになかなか手に入りませんし、手に入ったとしてもその高級さに比例してかなり高価かもしれませんが、機会があれば、ぜひ神戸牛シャトーブリアンを使った究極のステーキを味わってみてはいかがでしょうか。
神戸牛部位ごとの美味しい食べ方
神戸牛サーロイン、ヒレ、リブロース
神戸牛のサーロイン、ヒレ、そしてリブロースの持つキメ細かく柔らかい味わいは、ステーキで楽しむのがおすすめの食べ方です。また神戸牛リブロースはしゃぶしゃぶやすき焼き、焼肉、そしてローストビーフにもおすすめです。
神戸牛モモ
神戸牛のモモ(もも肉)はゼラチン質が豊富で、しっかりした歯ごたえと濃厚で豊かな風味が特徴です。神戸牛モモ肉の美味しい食べ方は、タタキやローストビーフ、そして煮込み料理がおすすめです。薄切りも美味しいです。
神戸牛スネ、カタバラ、ネック
神戸牛のスネ(すね肉)やカタバラ(肩バラ)、そしてネックは、じっくり煮ると濃厚な旨味が出る部位です。ビーフシチューやカレーなど弱火でコトコト煮込む料理がおすすめです。骨ごと煮込むとより美味しいストックがとれます。
神戸牛トモバラ
神戸牛のトモバラ(ともばら)は後ろ足に近いおなかの内側にあり、カタバラと同じく赤身と脂肪の薄い層が交合に重なる部分です。神戸牛のトモバラを使うおススメ料理は、カレーや牛丼などの家庭料理。煮込みも美味しくできます。
日本人なら一度は食べたい!日本が世界に誇る神戸牛
海外でも人気の神戸牛
和牛は海外でも人気が高く、中でも最高ランクのA5の神戸ビーフといったブランドビーフが求められてきました。人気の理由のひとつは、海外では赤身肉が主流なので、神戸牛のようなきれいなサシの入った牛肉とその味わいが珍しいからです。神戸ビーフは、2012年にマカオを皮切りに、香港、台湾、アメリカ、ドイツ、オランダなど世界の多くの国に輸出されています。
神戸牛通販を利用して神戸牛お取り寄せ
神戸牛をぜひ食べてみたいけど、レストランで食べるのはお値段が高そうだし、高級なお店はちょっと敷居が高くて…という方も多いかもしれません。最近ではコロナの影響で外食は心配という方も増えています。そんなときは、通販での神戸牛お取り寄せを試してみてはいかがでしょうか。店舗に出向かずに自宅に神戸牛が届くので無駄に出歩かなくてすむし、自宅なら自分の好きな調理法や味付けでリラックスして食べることができます。
神戸牛のギフトを選ぶ時のコツ
神戸牛など高級食材の贈り物は幅広い世代から喜ばれるので、内祝いやお中元、お歳暮におすすめです。神戸牛をギフトに選ぶ時のコツは、ギフトをもらう側の立場になって考えてみることです。例えば、お世話になった方がお年を召している場合は、食の細い方でも負担にならない小さめのサイズで、その方に失礼にならない高級なものを選んだり、逆に若い家族なら神戸牛のすき焼きや焼肉、しゃぶしゃぶなど家族全員で楽しめるものにしたり。また、グルメな方ならきれいなサシの入った神戸牛ステーキはもちろん、色々な部位を食べ比べできるセットなども喜ばれるギフトになるのではないでしょうか。
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